人気ブログランキング | 話題のタグを見る

思うままに


by abdulmajid0922
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

木育 の巻

木育 の巻_e0322201_1820310.jpg

広報紙「 ほっかいどう」2014 3月
「発行/北海道総合政策部知事室広報広聴課」
から、木育(もくいく)の言葉を初めて知りました。
広報を読み、
日常の暮らしは独学の木育をしていたという事がわかりました。


公園で木札に書かれた品種名で樹の名を知る。楽しいです。
葉の形で特徴を見る。
葉の色彩が見る者の心を癒す
葉をちぎって、匂いを嗅いでみる。
樹皮の模様で特徴を見る。
覚えやすい樹は昔、茶筒に利用された桜、迷彩柄のプラタナス。
木から綿が採れる。紙ができる。
寒い冬の暖房の薪(まき)になる。
家具、家、楽器ができる。
動物の餌になる。
並木が直射日光を遮ってくれる。
木の恩恵は枚挙にいとまがない。

[文学]
1815年 65歳のゲーテはイチョウの葉を添えて25歳年下の人妻に手紙を送りました、ふたつはひとつと。
(ゲーテの自筆の手紙
デュッセルドルフ・ゲーテ博物館所蔵)

岩波茂雄が創めた書店発行第一弾
夏目漱石「こころ」1914年(大正3年) より


私(わたくし)は墓地の手前にある
苗畠の左側からはいって、
両方に楓を植え付けた広い道を
奥の方へ進んで行った。....

墓地の区切り目に大きな銀杏が
一本空を隠すように立っていた。


.....私は箱根から貰った絵葉書をまだ持っている。
日光へ行った時はもみじの葉を一枚封じ込めた郵便も貰った。...

「鐘つけば 銀杏散るなり 建長寺」漱石
1895年(明治28年) 9月6日 海南新聞に発表。

漱石は英国留学体験で改めて漢詩・日本文学に見られる自然と人間との関わりの深さに覚醒されたのです。

[美術]
ボッティチェリ 1478年頃 「春」プリマヴェーラ
フィレンツェ・ウフィッツィ美術館蔵
背景の森の木立には、たくさんの果実が描かれています。
中央に君臨するヴィーナス始め描かれている女性すべてが妊婦に見えます。

尾形光琳(1658年~1716年)
国宝「紅白梅図屏風」
MOA美術館収蔵
この梅の樹の写実さには圧倒されます。クリムトの各作品の原型に思えます。という事はクリムトも「琳派」?

フィンセント・ファン・ゴッホ
(1853年~1890年)
「夕暮れのポプラ並木」1884年
「ポプラの小道」1884年
「ポプラのある小道」1885年
モネ・ゴッホの描くポプラの樹は高さと幹の太さが
北海道で見るポプラとはかなり違います。
「日本趣味:梅の花」1887年
ファン・ゴッホ美術館
歌川広重「名所江戸百景 亀戸梅屋敷」の模写です。

「アルルのゴッホの寝室」1888年
二脚の椅子、サイドテーブル、ベッド、二カ所のドアー、壁に飾られた額縁、緑色の窓枠、床にいたり、すべて木の中の暮らしです。

ゴッホは最晩年から糸杉を描きました。

クロード・モネ(1840年~1926年)
「かささぎ」1869年
パリ・オルセー美術館
浮世絵の雪景色で感動したのでしょう。一面の冬景色の中に、真っ黒なかささぎを描いた本作品は当時のフランスのサロンでは受理されませんでした。

モネはセーヌ川の支流エプト川の川岸のポプラ並木をいっぱい描きました。

「しだれ柳」1918年~1919年頃
ジヴェルニーのモネの自宅の庭木です。
一本の柳だけを画布いっぱいに描きました。
最晩年迄に「しだれ柳」を10点描きました。

[音楽]
*柳よ泣いておくれ
「Willow weep for me 」1932年
作詞:作曲:Ann Ronell
彼女がジョージ・ガーシュウィンに捧げた曲です。
この曲を演奏しないジャズ・ミュージシャンはいないでしょう。

歌:ビリー・ホリデイ
*奇妙な果実
1939年に録音
作詞・作曲 ルイス・アレン
「南部の木には奇妙な果実がなる
葉には血が、根にも
幾つもの黒い肉体が南部の風に
揺れている
奇妙な果実はポプラの樹々にぶら下がっている.....」


日本の戦後第一弾映画「そよかぜ」1945年(昭和20年) 松竹大船
*挿入歌「りんごの唄」
「赤いリンゴに くちびる寄せて...」
歌:並木路子・霧島昇
作詞:サトウ・ハチロー
作曲:万城目正

「赤い夕陽に 校舎を染めて
楡の木陰にはずむ声...」
*高校三年生
歌:舟木一夫 1963年
作詞:丘灯至夫
作曲:遠藤実

「白樺 青空 南風
こぶし咲くあの丘 北国の
ああ北国の春...」
*北国の春
歌:千昌夫 1977年
作詞:いで はく
作曲:遠藤実

ビートルズ 1965年
アルバム「ラバー・ソウル」
作詞・作曲レノン=マッカートニー
歌:ジョン・レノン
*ノルウェーの森
曲名の日本語訳は、意味を取り間違えたと訳されたご本人が語っていますが、
非常に結構な訳です。
正しい解釈は若かったポールとジョンらしい傲慢さが窺える「松の木の安っぽい家具」。

歌:トム・ジョーンズ 1966年
*思い出のグリーングラス
作者:アメリカン・カントリーミュージックのシンガー&ソングライター
カーリー・プットマンの作品
死刑執行前夜に見た囚人の夢。
ふるさとを歌い、泣かせる歌です
「みんなが俺を迎えてくれるさ
古い「樫の木」陰の中で
そして、俺を家の緑の、緑の芝生のしたに寝かせてくれるんだ」

聖書に記されています、「樫の木」には人の精神と肉体の安息を与える象徴の意味がある。

[札幌の風景昔話し]
・創成川公園になる前には、両岸は見事な大木の
しだれ柳がたおやかに風と戯れ、揺れていました。
大通公園のテレビ塔、北電の辺りは水面が見えないほどの
美しい枝ぶりでした。

・札幌駅前通地下歩行空間の完成前、地上の中央分離帯にはハルニレが植栽されていました。
冬になると綺麗にイルミネーションが飾られました。

・現在も豊平区役所から国道36号線までの中央分離帯の樹はりんごです。
1910年(明治43年) 有島武郎が住んだ豊平川の右岸の上白石村、
今の菊水1条1丁目は大きなりんご園でした。
小説「生まれ出ずる悩み」に書かれています。

・平成16年に台風18号襲来
最大瞬間風速50.2m/s。
大通公園を始め、市内のあちこちの古木、大木が倒れました。
北大ポプラ並木も痛手を受けました。
今では大学構内西門の平成ポプラ並木が立派に育っています。

北国情趣たっぷりの、樹が松ぼっくりのような、
美しいプンゲンス・トウヒ(マツ科)
札幌医科大学構内。

木育 の巻_e0322201_18201476.jpg

靖國神社境内の木斛(モッコク)
(ツバキ科)

木育 の巻_e0322201_18202391.jpg

文京区本郷7丁目
東京大学鉄門~龍岡門の街路樹
「マテバシイ」(ブナ科)

木育 の巻_e0322201_1821115.jpg

東京大学 赤門の「クスノキ」
(クスノキ科)
本郷通りからの、大学構内への遮音効果があります。
キューティクルの輝きがツバキのようです。

木育 の巻_e0322201_18211987.jpg

厳しい冬の時期のイチョウ並木
(イチョウ科)
北海道大学構内

木育 の巻_e0322201_18212359.jpg

靖國神社の献木、モチノキ(黐の木)です。(モチノキ科)

*画像はすべて1月のようすです。
by abdulmajid0922 | 2014-03-14 18:04 | Comments(0)