ルーヴル美術館展の巻
2015年 03月 27日
ルーヴル美術館展
主役はフェルメール《天文学者》です。
会場の国立新美術館(2007年開館)です。
設計:黒川紀章
東京ミッドタウン ガレリア
(2007年開業)での大きなバナー
フェルメール作品の人々を魅了する力の強さを改めて知りました。
地下鉄 千代田線 乃木坂駅の
コンコースに
貼られたポスターです。
展示会場にて
第Ⅱ章
日常生活の寓意ー風俗描写を超えて
*左のポスター
・ヨハネス・フェルメール
(1632-1675・オランダ)
《天文学者》
1668年
油彩/カンヴァス 51×45 cm
絵を囲む額縁の四隅の斜線が作品の中の窓枠の斜線、
天文学者が腰掛けている椅子の背の斜線が統一されていることに
ため息がでるほどの
美しさを見出しました。
フェルメールはヘラルト・ダウと同年に亡くなりました。
第Ⅴ章
室内の女性ー日常生活における女性
*右のポスター
・ティツィアーノ
(1488-1576・イタリア)
《鏡の前の女》
1515年頃
油彩/カンヴァス 99×76 cm
瞳の輝き、衣装の質感と輝きには目を瞠ります。
左手に掛かる明るい青い布が暗い室内に
異彩を放つ存在であり、
女性の肌がひとしお美しいのです。
*左のポスター
第Ⅰ章
・クエンティン・マセイス
(1466-1530・ベルギー)
《両替商とその妻》
1514年
油彩/板 70.5×67 cm
ご夫婦どちらにも狡さのない表情を見せている一瞬です。
微笑ましくもあります。
妻の赤い衣装の色が印象に残ります。
*右のポスター
・バルトロメオ・エステバン・
ムリーリョ
(1617-1682・スペイン)
《蚤をとる少年》
(物乞いの少年)から改題
1645-1650年頃
油彩/カンヴァス 134×110cm
左側の窓から差し込む光。
作品《天文学者》にも見られますように
フェルメールが好んだ構図です。
*これと同じ構図の作品が他の
画家によっても描かれており、
展示されています。
第Ⅰ章
[労働と日々]ー商人、
働く人々、農民
・ヘラルト・ダウ
(1613-1675・オランダ・
レンブラントの弟子)
《田舎の料理人の女》、
または《水を注ぐ女》
1640年頃
油彩/板 36×27.4cm
左側の窓から差し込む光。
水差しを持ち注ぐ女。
この絵の型はフェルメールだけの手法ではないということを学びました。
ヘラルト・ダウは他に数点の左窓から差し込む光の絵を描いています。
《水腫症の女》1663年
《クラヴィコードを弾く婦人》1665年
第Ⅱ章
日常生活の寓意ー風俗描写を超えて
・レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン
(1606-1669・オランダ)
《聖家族》、または《指物師の家族》
1640年
油彩/板 41×34cm
フェルメール絵画の典型とも言える構図の
この絵は左窓から差し込む光の絵を描いています。
フェルメール
《窓辺で手紙を読む女》
は1657年頃の作品です。
レンブラントは17年前にすでに
この構図で絵を描いていました。
第Ⅵ章
アトリエの芸術家
・フランソワ・ブーシェ
(1703-1770・フランス・
ポンパドール夫人の肖像画を描いた画家)
《アトリエの画家》
1730-1735年頃
油彩/板 27×22cm
フェルメール作品とは違い、
赤い衣装の人物は左側の窓に背を向けています。
製作中の絵にも光があたり際立たせています。
フランソワ・ブーシェは他にも
《昼食》1739年
《マルシャン・ド・モード》1746年
の作品が同じく左窓から差し込む光の絵を描いています。
この構図はフェルメールだけの
手法ではないことを確認しました。
ルーヴル美術館展
日常を描くー風俗画に見るヨーロッパ絵画の真髄
国立新美術館にて
東京都港区六本木7丁目
私も、東京の新国立美術館で、『ルーヴル美術館展』-風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄– を見てきましたので興味深く読ませていただきました。17世紀のオランダの不道徳な恋愛への警鐘など道徳的暗示を日常の生活の風俗画に込めて描いているのにも深く興味を覚えました。16世紀から西欧では貧しい人々の生々しい現実を生き生きと描いて今に伝えていることに感動しました。
私もルーヴル美術館展で鑑賞した風俗画などの絵画の特徴や魅力を整理し、自分なりの見解をまとめてみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見やご感想など何でも結構ですのでコメントいただけると感謝致します。