思うままに


by abdulmajid0922
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《法悦のマグダラのマリア》の巻

カラヴァッジョ
《法悦のマグダラのマリア》
Mary Magdalene in Ecstasy
1606年 油彩/カンヴァス
107.5×98cm 個人蔵

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一瞥して気が付くのは対角線を意識した大胆な構図です。

露出する肩と白い衣装のあたりは
《トカゲに噛まれた少年》(1593-1594年頃)を想起させてくれます。

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左側に描かれた十字架

会場では十字架の存在に全く気が付きませんでした。

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肌の色、顔の色は白いというより灰色がかっており、
死顔の持つ不気味さを感じ遠目で見て拒否反応が生じた作品です。

余りにもの写実な「絶頂」の顔をまともに見られない、見てはいけないという気にさえ感じさせるかなり印象強い作品です。


目尻に描いたひとつぶの涙に美しさを見いだすことはできません。

この顔の前の苦痛を伴う悦楽の表情を簡単に想像出来ますから、やはり見てはいけないものを見ている気がするの感は否めません。

「のぞき」で見る者を喜ばせる企みがあるような作品です。

後の世に現れる喜多川歌麿や歌川国貞等の美人画に見られる「笹色紅」を髣髴させる上下の唇の色を変えて描いています。

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つい先ほどニュースになりました
《ホロフェルネスの首を斬るユディット》では侍女の老婆の首が異常に膨れています。

《法悦のマグダラのマリア》では
マリアの腹部が異常に膨れています。


画像:ぶらぶら博物館・美術館


イングマール・ベルイマン好みの香りが漂いオペラの演出を見るような猥褻と芸術の共存する
世界初公開《法悦のマグダラのマリア》
Mary Magdalene in Ecstasy



日伊国交樹立150周年記念

カラヴァッジョ展

国立西洋美術館にて2016年6月12日まで公開中です。

東京都上野公園

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Commented by desire_san at 2016-05-12 16:07
こんにちは。
私もカラヴァッジョ展を見て『法悦のマグダラのマリア』は強く印象にまこみ凝りました。死の間際のマグダラのマリアが神と一体感になった法悦に浸っていることを『法悦のマグダラのマリア』では見事に表現されていると感じました。他にも『エマオの晩餐』の闇を切り裂くような光の表現、『ナルシス』の刹那的に美しく表現などカラヴァッジョの絵画には比類ない魅力を感じました。

今回のカラヴァッジョ展からカラヴァッジョの絵画の魅力と、なぜカラヴァッジョが美術史を塗り替えるほどの影響力を持ったのかを考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。
by abdulmajid0922 | 2016-04-18 15:31 | Comments(1)