思うままに


by abdulmajid0922
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

アッシジの聖フランシスコ と フェラポント神父 の巻

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』1881年(明治14年)より


第二部

第四編 激情の発作

一 フェラポント神父

フェラポント神父とオブドールスクの聖シリヴェストルのささやかな僧院から来た修道僧との会話より


「...,なにか聖霊とたえず交渉をおもちだとかいう大変なお噂が遠い国々にまでとどいておりますが?」

「飛んでくるぞ。ちょくちょくな」

「どうやって飛んでまいります?
どんな姿で?」

「小鳥になってじゃ」

「鳩の姿の聖霊でございますか?」

「聖霊だったり、精霊だったりする。

精霊は別もので、これは鳩以外の小鳥になっておりてくることもある。

あるときは燕に、あるときはかわらひわに、あるときはやまがらになっての」

「やまがらが精霊だってことがどうしておわかりになります?」

「口をきくからじゃ」

「どんなふうに口をきくんです、どんな言葉で?」

「人間の言葉でじゃ」

「あなたさまにどんなことを言います?」

「きょうはこんな知らせがあったぞ、ばかが訪ねてきて、下らんことを聞くとな。

まったくお前はいろんなことを聞くやつじゃのう」

「これはまたおそろしいお言葉で、神父さま」と言って修道僧は首をふった。
......

(豪華版 世界文学全集ー14
ドストエフスキー『カラマーゾフ兄弟』
北垣信行訳 講談社 1976年)

e0322201_11213474.jpg

画像:M.C.エッシャー
『小鳥に説法する聖フランシス』
板目木版 50.9×30.7cm 1922年
ハウステンボス美術館

偉大な苦行僧フェラポント神父へ質問する修道僧との会話から、ふと昨年展覧会で観たエッシャーの絵が浮かんだのです。

[PR]
by abdulmajid0922 | 2017-05-28 11:18 | Comments(0)