思うままに


by abdulmajid0922
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

<   2016年 10月 ( 9 )   > この月の画像一覧

*夏目漱石「吾輩は猫である」より

《細君は単に掃除のために掃除をしているからである。》


《十》

「あなた、もう七時ですよ」と襖越しに細君が声を掛けた。

.......細君は、遅くなっても知りませんよと云う姿勢で箒とはたきを担いで書斎の方へ行ってしまった。

やがてぱたぱた書斎中を叩き散らす音がするのは例によって例のごとき掃除を始めたのである。

一体掃除の目的は運動のためか、遊戯のためか、掃除の役目を帯びぬ吾輩の関知するところでないから、知らん顔をしていれば差し支えないようなものの、ここの細君の掃除法のごときに至ってはすこぶる無意義のものと云わざるを得ない。

何が無意義であるかと云うと、この細君は単に掃除のために掃除をしているからである。

はたきを一通り障子へかけて、箒を一応畳の上へ滑らせる。

それで掃除は完成した者と解釈している。

掃除の源因及び結果に至っては微塵
の責任だに背負っておらん。

かるが故に奇麗な所は毎日奇麗だが、ごみのある所、ほこりの積っている所はいつでもごみが溜ってほこりが積っている。

告朔の餼羊と云う故事もある事だから、これでもやらんよりはましかも知れない。

しかしやっても別段主人のためにはならない。

ならないところを毎日毎日御苦労にもやるところが細君のえらいところである。

細君と掃除とは多年の習慣で、器械的の連想をかたちづくって頑として結びつけられているにもかかわらず、掃除の実に至っては、妻君がいまだ生れざる以前のごとく、はたきと箒が発明せられざる昔のごとく、毫も挙っておらん。

思うにこの両者の関係は形式論理学の命題における名辞のごとくその内容のいかんにかかわらず結合せられたものであろう。 
........
(青空文庫)



「吾輩は猫である」

1905年 明治38年 1月〜
1906年 明治39年 8月迄全11回に亘り俳句雑誌「ホトトギス」に連載されました。
夏目漱石が38歳の時の作品です。

e0322201_11113222.jpg

画像:「漱石山房」記念館 完成予想図
新宿区早稲田南町7番地


*森鷗外「あそび」より

《塵を取るためとは思わずに、はたくためにはたくのである。》



木村は官吏である。 

ある日いつもの通りに、午前六時に目を醒ました。夏の初めである。
.,,,.,,
木村は座布団の側にある日出新聞を取り上げて、空虚にしてある机の上に広げて、七面の処を開ける。

文芸欄のある処である。 

朝日の灰の翻れるのを、机の向うへ吹き落しながら読む。

顔はやはり晴々としている。 

唐紙のあっちからは、はたきと箒との音が劇しく聞える。

女中が急いで寝間を掃除しているのである。

はたきの音が殊に劇しいので、木村は度々小言を言ったが、一日位直っても、また元の通りになる。

はたきに附けてある紙ではたかずに、柄の先きではたくのである。

木村はこれを「本能的掃除」と名づけた。

鳩の卵を抱いているとき、卵と白墨の角を刓したのと取り換えて置くと、やはりその白墨を抱いている。

目的は余所になって、手段だけが実行せられる。

塵を取るためとは思わずに、はたくためにはたくのである。 

尤もこの女中は、本能的掃除をしても、「舌の戦ぎ」をしても、活溌で間に合うので、木村は満足している。

舌の戦ぎというのは、ロオマンチック時代のある小説家の云った事で、女中が主人の出た迹で、近所をしゃべり廻るのを謂うのである。 
(青空文庫)


「あそび」

1910年 明治43年 5月に創刊した文藝雑誌「三田文學」の同年8月号に発表されました。
(編輯兼発行人:永井荘吉(荷風))

森鷗外が48歳の時の作品です。

e0322201_11113398.jpg

画像:「文京区立 森鷗外記念館」
東京都文京区千駄木1丁目23-4



[PR]
by abdulmajid0922 | 2016-10-24 11:02 | Comments(0)
e0322201_11233129.jpg

コトネアスター ダンメリ
バラ科・コトネアスター属

学名: Cotoneaster dammeri

Cotone: 古ラテン語「花梨」

aster: ラテン語「似ている」を表す名詞の接尾辞

dammeri: ドイツ人の植物学者Carl Lebrecht Udo Dammer(1860-1920)の名に因んでいます。

英名:Bearberry cotoneaster


原産地:中国 湖北省(中央部〜南部)

e0322201_11233295.jpg


e0322201_11233305.jpg

5月

コトネアスターの花言葉: 変わらぬ愛情、安定....

花径10mmほどです。

地面にぴったり張り付いているようで、まさしくグラウンドをカバーしています。

e0322201_11233494.jpg

10月20日初雪が降ったその翌日、

赤い実の大きさは7mmほどです。


Cotoneaster 'Dammeri'
1993年 RHS(英国王立園芸協会)のAGM賞(Award of Garden Merit)を受賞しています。
(出典:Cotoneaster dammeri-landscape architect's pages )



札幌市中央区北 大通にて

[PR]
by abdulmajid0922 | 2016-10-22 11:18 | Comments(0)

サンビタリア の巻

e0322201_19385083.jpg

サンビタリア
キク科・ジャノメギク属

学名: Sanvitalia procumbens 'Cuzco'

Synonym: Other names for Creeping zinnia 'Cuzco': Sanvitalia speciosa.
(Creeping zinnia 'Cuzco'- Floragard)


英名: Creeping zinnia 'Cuzco'
Mexican creeping zinnia

原産地:US南西部〜メキシコ〜南アメリカ

e0322201_19385165.jpg

サンビタリアの花言葉: 私を見つめて.....

花径17mmの金色の舌状花冠と金色の筒状花です。

e0322201_19385249.jpg

赤いつる性の茎がたくさん伸びています。


「雪虫」がすでに飛来しています。

間もなく、初雪が降るでしょう。

サンビタリアの花はめげずに、けなげに咲いています。


札幌市中央区大通公園西8丁目花壇にて
[PR]
by abdulmajid0922 | 2016-10-19 19:36 | Comments(0)
「吾輩は猫である」より


[心の落着は死ぬまで焦ったって片付く事があるものか。]


珍客 八木独仙が主人に説法をします

《ハ》
......
西洋人のやり方は積極的積極的と云って近頃大分流行るが、あれは大なる欠点を持っているよ。

第一積極的と云ったって際限がない話しだ。

いつまで積極的にやり通したって、満足と云う域とか完全と云う境にいけるものじゃない。

向に檜があるだろう。

あれが目障りになるから取り払う。

とその向うの下宿屋がまた邪魔になる。

下宿屋を退去させると、その次の家が癪に触る。

どこまで行っても際限のない話しさ。

西洋人の遣り口はみんなこれさ。

ナポレオンでも、アレキサンダーでも勝って満足したものは一人もないんだよ。

人が気に喰わん、喧嘩をする、先方が閉口しない、法庭へ訴える、法庭で勝つ、それで落着と思うのは間違さ。

心の落着は死ぬまで焦ったって片付く事があるものか。

寡人政治がいかんから、代議政体にする。

代議政体がいかんから、また何かにしたくなる。

川が生意気だって橋をかける、山が気に喰わんと云って隧道を堀る。

交通が面倒だと云って鉄道を布く。

それで永久満足が出来るものじゃない。

さればと云って人間だものどこまで積極的に我意を通す事が出来るものか。

西洋の文明は積極的、進取的かも知れないがつまり不満足で一生をくらす人の作った文明さ。......
(青空文庫)

初出:俳句雑誌「ホトトギス」
1905年 明治38年 1月~
1906年 明治39年 8月 全11回連載

e0322201_16173219.jpg

画像:
昭和46年(1971年)「吾輩は猫である」が執筆された住居跡地に設置されました記念碑です。
「跡居旧石漱目夏」の揮毫は川端康成によるものです。

平成14年(2002年)猫の像が塀の上に設置されました。

場所:日本医科大学 橘桜会館
東京都文京区向丘2丁目



「道草」より

[世の中に片付くなんてものは殆んどありゃしない。]

《百二》

.....
 彼は無言のままもう一枚の書付を開いて、其所に自分が復籍する時島田に送った文言を見出した。

「私儀今般貴家御離縁に相成、実父より養育料差出候については、今後とも互に不実不人情に相成ざるよう心掛たくと存候」

 健三には意味も論理も能く解らなかった。

「それを売り付けようというのが向うの腹さね」

「つまり百円で買って遣ったようなものだね」 

比田と兄はまた話し合った。

健三はその間に言葉を挟むのさえ厭だった。 

二人が帰ったあとで、細君は夫の前に置いてある二通の書付を開いて見た。

「こっちの方は虫が食ってますね」

「反故だよ。何にもならないもんだ。破いて紙屑籠へ入れてしまえ」

「わざわざ破かなくっても好いでしょう」 健三はそのまま席を立った。

再び顔を合わせた時、彼は細君に向って訊いた。

──「先刻の書付はどうしたい」「箪笥の抽斗にしまって置きました。」 

彼女は大事なものでも保存するような口振でこう答えた。

健三は彼女の所置を咎めもしない代りに、賞める気にもならなかった。

「まあ好かった。
あの人だけはこれで片が付いて」 細君は安心したといわぬばかりの表情を見せた。

「何が片付いたって」

「でも、ああして証文を取って置けば、それで大丈夫でしょう。

もう来る事も出来ないし、来たって構い付けなければそれまでじゃありませんか」

「そりゃ今までだって同じ事だよ。

そうしようと思えば何時でも出来たんだから」

「だけど、ああして書いたものをこっちの手に入れて置くと大変違いますわ」

「安心するかね」

「ええ安心よ。
すっかり片付いちゃったんですもの」

「まだなかなか片付きゃしないよ」

「どうして」

「片付いたのは上部だけじゃないか。

だから御前は形式張った女だというんだ」

細君の顔には不審と反抗の色が見えた。

「じゃどうすれば本当に片付くんです」

「世の中に片付くなんてものは殆んどありゃしない。

一遍起った事は何時までも続くのさ。

ただ色々な形に変るから他にも自分にも解らなくなるだけの事さ」 

健三の口調は吐き出すように苦々しかった。

細君は黙って赤ん坊を抱き上げた。

「おお好い子だ好い子だ。
御父さまの仰ゃる事は何だかちっとも分りゃしないわね」 

細君はこういいいい、幾度か赤い頬に接吻した。
(青空文庫)

初出:「朝日新聞」連載
1915(大正4)年6月3日~9月14日

「道草」は、処女作「吾輩は猫である」から10年後、死の前年、「明暗」を執筆する8ヶ月前の作品です。


「門」

《二十三》
.....
ある日曜の午宗助は久しぶりに、四日目の垢を流すため横町の洗場に行ったら、五十ばかりの頭を剃った男と、三十代の商人らしい男が、ようやく春らしくなったと云って、時候の挨拶を取り換わしていた。

若い方が、今朝始めて鶯の鳴声を聞いたと話すと、坊さんの方が、私は二三日前にも一度聞いた事があると答えていた。

「まだ鳴きはじめだから下手だね」

「ええ、まだ充分に舌が回りません」 

宗助は家へ帰って御米にこの鶯の問答を繰り返して聞かせた。

御米は障子の硝子に映る麗かな日影をすかして見て、
「本当にありがたいわね。ようやくの事春になって」と云って、晴れ晴れしい眉を張った。

宗助は縁に出て長く延びた爪を剪りながら、「うん、しかしまたじき冬になるよ」と答えて、下を向いたまま鋏を動かしていた。
(青空文庫)

初出:「朝日新聞」連載
1910年 明治43年 3月〜6月
e0322201_16173321.jpg

画像:
「夏目漱石の胸像」(富永直樹作)
平成3年(1991年)に建立されました

「道草」を執筆した「漱石山房」があった現在の「新宿区立 漱石公園」にて


e0322201_16173428.jpg

2017年の夏目漱石生誕150周年記念に向け新宿区は、仮称「漱石山房」記念館を建設しています。

東京都新宿区早稲田南町7番地
[PR]
by abdulmajid0922 | 2016-10-15 16:06 | Comments(0)
e0322201_11010889.jpg

サルビア・ファリナセア ‘ストラータ’/Salvia farinacea 'Strata'

シソ科・アキギリ属

学名: Salvia farinacea 'Strata'

英名:Mealy cup sage 'Strata'

原産地: ニューメキシコ州、テキサス州〜メキシコ北部

e0322201_11010952.jpg


e0322201_11011013.jpg

花言葉:誠実

白い萼に青色の花冠のツートーンカラーで心地よい爽やかさを感じます。あたりにはお菓子のような甘い香りを漂わせています。

e0322201_11011063.jpg

葉をちぎって匂いを嗅ぐと香草の良い香りがします。

e0322201_11011171.jpg

Salvia 'Strata'

1996年 AAS Flower Award Winner

National winnerを受賞。

Breeder:Floranova

(出典: 1996 AAS Flower Award WinnerーAll-America Selections)

同じく1996年 Fleuroselect(欧州草花新品種審査協会)の金賞を受賞しています。



画像:札幌市資料館前庭にて


[PR]
by abdulmajid0922 | 2016-10-12 10:56 | Comments(0)
e0322201_10181772.jpg

ユーフォルビア ダイアモンドフロスト
トウダイグサ科・ユーフォルビア属


学名: Chamaesyce hypericifolia Inneuphe Diamond Frost
(the name has changed from Euphorbia hypericifolia Inneuphe Diamond Frost.)

Euphorbia hypericifolia 'Inneuphe'

'Diamond Frost' は商標名です。

英名: Diamond Frost Spurge、
Large Spotted Spurge

和名:オトギリバニシキソウ

原産地: US南部〜アルゼンチン〜西インド諸島(出典: Euphorbia hypericiforia Diamond Frost ['Innephdia'] PP17567
at San Marcos Growers)

e0322201_10181850.jpg

花序の下の葉の花弁のように見える白い苞の大きさは3mm×10mmです。

葉柄や茎に切れ目を入れるとユーフォルビア特有の白い樹液が出てきます。

e0322201_10181940.jpg

Euphorbia 'Innephdia'

2004年 ドイツ マインツ近くのGensingeで発見され園芸家Garry Grueber氏によって紹介されました。
(出典:Patent US PP17567 P2 Euphorbia plant named 'Innephdia')

2007年4月 US PLANT PATENT 17567 US植物特許の保護を受けています。


画像: 札幌市中央区南3条通りにて
[PR]
by abdulmajid0922 | 2016-10-08 10:14 | Comments(0)
e0322201_12115201.jpg

ハツユキソウ/ユーフォルビア
トウダイグサ科・ユーフォルビア属

学名: Euphorbia marginata 'Summer Icicle' (夏のつらら)

英名: Summer Icicle Spruge,
Snow on the Mountain,
Whitemargined Spruge,
Variegated Spruge

和名: ハツユキソウ(初雪草)

原産地: カナダ東部〜USA(ミネソタ州〜コロラド州〜テキサス州)

e0322201_12115244.jpg

ユーフォルビア・マージネイターの花言葉: 好奇心

花径1cmほどです。

e0322201_12115426.jpg

葉の大きいところは2.5×5cmです。

葉柄からはトウダイグサ特有の白い樹液が出てきます。

e0322201_12115401.jpg

白く隈取られた葉の下部ではヴァリエガータではなく明るい緑色一色です。

根元に近い茎は赤い色をしています。



札幌市中央区大通公園西8丁目 花壇にて。

[PR]
by abdulmajid0922 | 2016-10-05 12:07 | Comments(0)
e0322201_20012945.jpg

M.C.エッシャー
『小鳥に説法する聖フランシス』
板目木版 50.9×30.7cm 1922年
ハウステンボス美術館

M.C.Escher
"St.Francis preaching to the birds"
Woodcut,20×12 1/8inches
Huis ten Bosch Museum

e0322201_20013034.jpg

(拡大)
両手の聖痕が強烈に目をひきます。

e0322201_20013171.jpg

(拡大)

地上の鳥の弧を描くくちばしの下部に描かれた遠くの地平線には小さく町並みが描かれています。
浮世絵を髣髴とさせる技法です。



フランツ・リスト自身の1865年初演による名曲
『小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ』
"St.Françios d'Assise, la prédication aux oiseaux"


フランコ・ゼッフィレッリの監督による若き日のフランチェスコを描いた
1972年の映画
『ブラザーサン、シスタームーン』

The film "BROTHER SUN, SISTER MOON(FRATELLO SOLE, SORELLA LUNA) "
Directed by Franco Zeffirelli


この二つの作品で非常に印象深く、親近感のあった聖フランチェスコをエッシャーが描いていたことには驚きました。

大発見です。

当展覧会での最高の収穫です。

e0322201_20013267.jpg


図録

エッシャーの世界展

札幌芸術の森美術館〜10月16日2016年まで公開中です。
[PR]
by abdulmajid0922 | 2016-10-03 19:50 | Comments(0)
e0322201_15370669.jpg

ギンミズヒキ(銀水引)
タデ科・ イヌタデ属

学名: ・Persicaria filiformis f. albiflora
・Polygonum virginianum L. var. filifor me

英名: Virginia knotweed,
Woodland knotweed,Jumpseed.

原産地: 日本〜中国〜ヒマラヤ

e0322201_15370788.jpg

花言葉: 感謝の気持ち、喜び....

e0322201_15370826.jpg

札幌市中央区の植樹桝にて。

[PR]
by abdulmajid0922 | 2016-10-01 15:32 | Comments(0)