思うままに


by abdulmajid0922
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<   2017年 04月 ( 4 )   > この月の画像一覧

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面陳された本の表紙に描かれたタチアオイの絵が気に入り手にして、著者の名前を見ては、あれこの人のもの何か読んだことがあるぞと思った。


角々しい気持ちが丸くなりそうな題名に惹かれ読了した。


後記に至って

「花新聞 Hokkaido」(北海道新聞情報サービス発行 ググると384号をもち現在は休刊とある)
に連載されたコラムの著者であったということがわかり、漸く溜飲を下げました。

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装画 川上和生

『人生という花』文中より

・花を持たせる

.....自分は素晴らしい人間だぞと喚きつづけるのは、どうみても尋常でない光景だ。.....


ここで、一言居士登場

現在はグローバルな時代、
特に外資系企業やIT企業の面接を受ける際は、自信を持って自分で自分を120点にして売り込まなければならない。

丸の内の企業面接のみならず、国内に出店している米国本社のカフェの面接でも男子、女子は自分の売り込みに真剣。

美容師の世界では自分の技量が即戦力となりどれほど貴店の役に立つこととなるのかを売り込まなければならないのです。


21世紀の労働者はブルーもホワイトも人目憚らず、自己肯定して生きなければならないのです。

自己肯定感を大いに育む時代です。


もう一枚 タチアオイの絵があります
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フランス印象派の画家、
エルネスト・クオスト が描いた
Ernest Quost(1844-1931)

《タチアオイの咲く庭》
Garden with Hollyhocks(1881-1890)
カンヴァス/油彩 44.5cm×55cm
ファン・ゴッホ美術館蔵

この絵はゴッホが賞賛し、テオが購入し所有したこともありました。

絵の裏にはクオスト直筆の言葉が書いてあるのです。

「テオ・ファン・ゴッホへ/
私の友人フィンセントが大好きだったこの絵を/
愛情を込めて/
E .クオスト」

「A Theo van Gogh / Ce tableau
qu'aime tant mon ami Vincent /
Bien amicalement / E. Quost」

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by abdulmajid0922 | 2017-04-27 10:30 | Comments(0)


不動貯金銀行 ニコニコ倶楽部発行の雑誌『ニコニコ』(第卅五號)
1913年(大正2年)12月1日発行に掲載されました。


夏目漱石(1867-1916)と津田青楓(1889-1976)との滑稽な会話です。

ー文藝笑話ーより

夏目漱石「漱石の磁器通」


お年の加減は爭はれないもので
近頃逍遥博士は書に凝り出し西洋文學通の孤蝶氏などが机の周囲に盆栽を一杯並べて眺め入つて居るなど思ひも附かない圖だが、猫の漱石先生なども近來益々骨董好きになつた。

此の間も訪ねて來た津田春楓(つだしゅんぷう)氏を對手に近頃掛け替えになつた表慶館の繪を品評して、宗達の竹は實に巧みなものだとか、岸駒の書も案外見られるとか云つてゐたが、『君、あの下に妙な格好をした壺があつたらう、あれは實に好いね、誰れかあれをうまく模造してくれるものはないだらうか』
などゝ話してゐる内に、
『あすこに交地のものが澤山あつたが、僕は交地のものは好かない』
と云ふと春楓氏、
『先生あの壺も交地のものですよ、』

『さうぢやないだらう、全くさうかね。
イヤ、ありや別だ。
ハ....,,』




:「漱石の磁器通」:

(出典:『ニコニコ』ー第35号ー:モダン周遊)

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画像:表慶館(重要文化財)

大正天皇の御成婚記念に国民から奉納された美術館。
竣工/明治41年 設計/宮内省 片山東熊


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by abdulmajid0922 | 2017-04-15 17:10 | Comments(0)
〈1〉
帯文『1970年11月25日。運命のあの日、 私は楯の会会員とともに警察署の取調室の中にいた。』

この後、何が書かれているのかたいへん興味を唆られた。

読んでみると......
..,記憶はぷっつり切れて....四谷署だか新宿署だかの取調室にいて、どうしてそうなったのかさっぱり記憶はない....。


まったくもって格好の悪いこと。

読者は大いなる失望である。

〈2〉
石原慎太郎は老醜を晒して、ベストセラーを出して金儲けをして醜さが余計に目につくという記述があります。


巷の女の愚痴、嫉妬、ひがみを織り交ぜた話しを聞くようで読むに堪えない。

石原慎太郎へのルサンチマンという言葉が浮かぶ。


この後随所に見られる執諄い金の話。


またかと思うほど金に苦労する物語を綴り数々の名作を残した夏目漱石を思い出します。


ふる古賀の近況が書かれており、
嬉しいエピソードがある。


〈3〉
ーあとがきーについて

烏滸がましいことではありますが、
松岡剛のみならず

徳岡孝夫著
『五衰の人ー三島由紀夫私記ー』
(1996年 文藝春秋社 第10回新潮学芸賞受賞)から

胸にぐっとくる部分があります。

当時サンデー毎日の編集次長徳岡孝夫に三島由紀夫が言うのです

...,,
「ぼくは太宰治が大嫌いだけど、これほど嫌いなのはやはり似たところがあるからなのかなあ」....


ふる古賀、ちび小賀、小川の三人は現行犯逮捕されパトカーで連行された後、
駐屯地を出ようとする徳岡孝夫の目にしたものは....文中より

.....「数人の職員がバレーボールをしているのを見たのだった。

女性が四、五人、男も一人か二人いた。

それは平和な平和な日本の、これ以上は平和であり得ない、素晴らしい景色だった。

吐き気がした。」.....

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画像:今日の札幌駅前通り方面の風景

三島由紀夫著『夏子の冒険』より

.....快晴の午前の駅前通りの靴磨きに靴を磨かせた。
午前の日はすでにやや暑かった。
札幌の靴磨きは夏のあひだ日傘のサービスをする。.....

〈4〉
『私の中の三島由紀夫』を読みながら蘇ってきた記憶がある。

すすきのでバーを経営していた頃、全国版の情報誌の取材があり顔写真がその雑誌に掲載されたあと、楯の会会員だったと云うその雑誌読者から電話があった。

その後手紙が届き、ある時は赤い褌姿の写真が届いた。

数カ月後、遠路はるばるその男は友達だという男を伴いバーにやって来た。

山ほどある質問事項を胸のうちに整理して、ご対面をとても楽しみにしていたがその男は既に酔っていた。

小柄でよかにせの酔ったその男はとろんとした目付きでまるでスクリーン上のウッディ・アレンのようによく喋った。

お国訛りは感じなかった。

初の店の不安や緊張を隠すためにひっきりなしに喋る客の型である。

そのよかにせは東京で大学時代を過ごした。

大学の先輩を好きになり、勧めれられて「楯の会」に入った。

そうしてやがて六尺褌を覚え好きになったと言う。

楯の会以外の自分の身の上話は暫く止まらなかった。

周りの客に憚かることなく自宅から携えてきたお土産をバーカウンターの上に広げた。

お土産の中にはダビングしたカセットテープが三つあった。

・三島由紀夫と徳大寺公英とがレストランで食事をしながらカシャカシャ食器の触れる音が会話と一緒に入って学生時代のことなど昔ばなしを語り合う内容のテープ。

対話の中で中村真一郎の名前が出ていました。


・『英霊の聲』から

三島由紀夫自らが朗読する
「などてすめろぎはひととなりたまひし」

・「楯の会」の合唱曲
「起て!紅の若き獅子たち」を録音したテープ。

EPレコードジャケットの写真のカラーコピーの中に写る白皙の青年ちび小賀の美形に目を瞠ったものです。

お土産はとてもありがたいものばかりだったが、質問は上手にそらし全然答えなかった九州男。

訊いたことの返事はあやふやでその男のバーから出たあとではあったが一応眉毛に唾を付けた。

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画像:今日の狸小路の風景

『夏子の冒険』より

....二人が狸小路をぶらぶら歩いて、
映画を見たり、中食を食べたりして...


紙コップのコーヒーにすっかり慣れてしまった今日。

磁器に注がれた珈琲を飲むとその価値とありがたみにすっかり感動して仕舞う今日。

青空文庫にすっかり慣れてしまった今日。

『私の中の三島由紀夫』で頁をめくりめくり超久しぶりの読書体験を楽しむ今日。


老いたる身の上
読後、『私の中の三島由紀夫』を室内で温蔵していては何の価値もないので図書館に寄贈した。

よろこんでくれる方がいるだろう。


ーENDー

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by abdulmajid0922 | 2017-04-10 14:47 | Comments(0)
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〈1〉
プロローグの後、早速五ページから未成年層をぐっと書面に引きつける性描写。

中高生男子の読者は勃起する。果てる。

思春期の読書によっての官能的な記憶は生涯に「渉」って善きにつけ悪しきにつけ、事が起こるたび脳裏に蘇る。

この快感へ導いてくれたこの本の作者と作品名は彼らの心の中に永遠に刻まれる。

そして100年経っても書店の棚にこの本は三島由紀夫と森鷗外とのあいだに陳列されているのです。

〈2〉
プジョー205ハッチバックで
アメリカン・ロード・ムービーよろしく主人公は妻を残し東京から北海道までドライブをします。

道中、四月に於いて北海道で老人がキノコ採りに山中に入って熊に襲われ死んだというニュースをテレビで知る主人公。

馬齢を重ねて65年北海道で暮らしているが雪が融けたばかりの四月のキノコ採りは一度も聞いたことがない話しです。

〈3〉
エージェントのアドバイスからローリング・ストーンズ 1964年『Time is on my side』
俺はいつも側にいる。
おまえはいつか戻って来る。
という内容の歌を連想する主人公。

沢田研二(ザ・タイガース)が50年前にカヴァーした曲

復縁をここでほのめかしている。

著者の配慮深く、素晴らしい選曲です。


1972年発売の『ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ』

1980年発売のブルース・スプリングスティーン『ザ・リヴァー』
を懐かしむ主人公。


プジョーに乗っていた主人公。
二歳年上の友人の旧式ボルボのカセットデッキでエアチェックした一九八〇年代の音楽を聴き歓談する主人公。


「騎士団長」の表情がマーロン・ブランド、リー・マーヴィンに似ているという主人公。


団塊の世代が懐かしむ時代の音楽、映画、文化をふんだんに描いています。

主人公の年齢の設定は三十六歳。

ゆえに主人公の年齢には合点がいかない!


物語をヒット曲と共に進行する手法は、田中康夫 著 1980年『なんとなく、クリスタル』で読者はすでに経験済みである。

〈4〉
東北地方の名前も知らない小さな町のファミリー・レストランでの描写は1960年代カリフォルニアのとあるダイナーを思わせ、昔の翻訳本を読んだ感覚が蘇ります。

その夜、出会った女の描写はそれを演ずるなら若き日のナスターシャ・キンスキーかイザベラ・ロッセリーニが似合う。

免色の家で双眼鏡を使って秋川まりえが盗み見をされていたことを知る。

観察されていることを知って意識して楽しむ秋川まりえ。

こういうファムファタールを確かに昔映画で、もしくはTVドラマにありました。

たっぷりと性描写を挟まれては、長編といえどもそれに引きつられて倦むことを知らない。青少年は大喜びしてあっという間に読み終えるだろう。

辞書を必要とするような言葉、漢字をほとんど使用していません。

著者は時代を読んでいます。

主人公が描いた秋川まりえの三枚のデッサンについて....彼女を描くことは、表面ではなく中心に存在するものをつかまえる...というようなことを免色に説明をします。

この部分を読んで瞬時にある記憶が蘇りました。

こんなテキストがあります。

森鷗外著『花子』
1910年(明治43年)「三田文学」に掲載

「人の体も形が形として面白いのではありません。霊の鏡です。形の上に透き徹つて見える内の焔が面白いのです。」 

.....ロダンは云つた。(青空文庫)


たくさんの芸術、音楽家やその曲名を挙げ、歴史描写を挟み、
随所に顕れる昔の映画を回顧させる描写。

オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』をも思い浮かべてしまい、
懐かしく、懐かしく、沸き起こる記憶を蘇らせながら楽しく、楽しく読み終えました。


読後感は【独創性に欠ける】です。


読者が連想することを承知して、著者自ら『レイダース』と書き込み言い訳をしています。

地下通路は江戸川乱歩『孤島の鬼』を髣髴する。

1980年 田中康夫著『なんとなくクリスタル』のサントラ盤を思い出しながら

初めて読んだ著者の作品。

文学に弱い現代人に飽きられない手法として読者の好色におもねる度重なる性描写は、馬の鼻に人参をぶら下げたようで、何だか馬鹿にされているような気がします。

不愉快な技巧です。

ノーベル賞を与えられないのが納得出来ました。

【独創性がない】

ー以上ー

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スプリング エフェメラル
Spring ephemeral

雪が融けたばかりの北海道の四月に咲く花
クロッカスです。


東北地方の小さな町のファミリー・レストランで『阿部一族』を読む主人公。

現代人は暇があるとスマホに手が伸びるのですが、作品登場人物は主人公はもちろんのこと、妹と 主人公と二人で風穴に入っている間に本を読んでいる叔父。

秋川まりえのデッサンを待つ間に本を読んでいる叔母。

本を読むというところを頻繁に描写します。

本を読んでくれない人々に何とかして読者層を開拓するには、スポーツ新聞のアダルトページのような性描写。

てっとり早くていい方法だ。

『騎士団長殺し』
美しい十代の学校で話題になって盛り上がっていただきたい。


読者にサービスしたようなサブリミナル効果を与えるように自画自賛する主人公の語りがあります。

『騎士団長殺し』....その見事な芸術作品.....。


BRAVO!『騎士団長殺し』

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by abdulmajid0922 | 2017-04-09 12:06 | Comments(0)