エルネスト・クオスト の巻
2014年 08月 19日
エルネスト・クオスト
Ernest Quost
1844-1931(France)
《タチアオイの咲く庭》
Garden with Hollyhocks
1900年以前の作品
板/油彩
42cm×54cm
国立ファン・ゴッホ美術館蔵
(アムステルダム)
ゴッホの弟 テオが一時、
所有していました。
この絵の裏には
「テオ・ファン・ゴッホへ/
私の友人フィンセントが大好きだったこの絵を/
愛情を込めて/
E .クオスト」
「A Theo van Gogh / Ce tableau
qu'aime tant mon ami Vincent /
Bien amicalement / E. Quost」
と書かれているのです。
茎の先端までいっぱいに咲き誇るたくさんのタチアオイ群です。
人の背丈を超えるほどに
真っ直ぐに伸びた白、ピンク、赤系のタチアオイのたくさんある庭の左端に白いブラウスに黒の長いスカートの夫人がひとり。
静かな夏の田舎のひと時を感じます。
太陽の力強い輝きと生命力の溢れる絵です。
大地、家の屋根の横の線、
天に向かって真っ直ぐに伸びる
タチアオイで、
盛りだくさんの十字架を描いているような作品です。
ゴッホは1886年からパリで暮らしました。
サロンでクオストの作品を見ており、タチアオイを描く名手と断言していました。
ゴッホはヒマワリによって、
クオストと肩を並べるようになりたいと望んでいたのです。
(Ⅳ パリのモダニズム
没後120年 ゴッホ展
Van Gogh: The adventure of
becoming an artist
発行:東京新聞・中日新聞社・TBS)
図録より
街路樹の土場に咲くタチアオイです。