速水御舟の巻
2015年 03月 29日
速水御舟(はやみ ぎょしゅう)
明治27年(1894)-昭和10年(1935年)
昭和10年 腸チフスに罹り逝去
享年40
《牡丹花(墨牡丹)》
昭和9年(1934年)
40歳
紙本・墨画彩色
43.5×58.7cm
晩年の作品です。
近頃では、空想で書けるようになっています....
狭いところから
広いところへ出たような感じです。
(御舟が友人へ宛てた手紙よりー
TV番組による)
会場ではいきなり、
この作品から展示されています。
不謹慎ですが、
黒い花びらをゆっくり拡大して見ていきますと、
暗雲が立ち込め、
ぞくっとするほど限りのない
幽玄の世界に
吸い込まれるような気分になります。
*会場での他の御舟の作品から
《翠苔緑芝》
昭和3年(1928)制作
34歳
四曲一双 紙本金地 彩色
172.6×362.4cm
大きな作品です
金地に五種の植物に二種の動物が描かれた屏風です。
右隻のつつじの花、
左隻のあじさいの花が浮立ち、
あまりにも写実で驚きます。
《百舌巣》(もずのす)
紙本・彩色
制作 大正14年(31歳)
茶色の巣の上に落ちている幾つかの真っ白な羽毛が兎に角、本物の羽毛のようです。
その小さな小さな、
一本一本の羽毛はため息の出るほど、柔らかく、
温もりを観る者に与えます。
山種羙術館での、とある壁。
入場券に使用された
《名樹散椿》
重要文化財
制作年 昭和4年(1929年)
紙本金地・彩色 二曲一双
各167.9x169.6cm
いろいろな花びらの椿が描かれた屏風です。
草の上に散った花びらは山茶花を見るようです。
実際に京都のお寺にあった名樹「散椿」
という樹です。
花と鳥の万華鏡
-春草・御舟の花、栖鳳・松篁の鳥-
山種羙術館
Yamatane Museum of Art にて
2015 03/18