思うままに


by abdulmajid0922
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五木寛之『親鸞』(上・下) 読後感 の巻


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鎌倉時代の僧侶、
『親鸞』(1173~1263)を読むと、ボロをまとい托鉢をする中世イタリアはアッシジの聖フランシスコ(1182-1226)が脳裏に浮かんできます。



四依(しえ)とは
僧たるものの守るべき心得


・食は行乞(ぎょうこつ)に依(よ)れ。

・衣は糞掃衣(ふんぞうえ)に依れ。

・坐は樹下(じゅげ)に依れ。

・病は陳棄薬(ちんきやく)に依れ。



法螺坊弁才はいう
「....いまこそ、釈尊の教えの第一歩にもどって出なおすことが必要だ。

仏法二千年の垢を洗いおとして仏陀の初心にもどるのだ。

すなわち、人はみな平等である。

....。

この世に生きることは苦しい。

心と体が痛む者を助けなければならぬ。

よりよく生きる道をさがそう。

そしてよろこびをもって生きよう。.,,,」


聖フランシスコが語っているようで、
洋の東西にかかわらず人類の考えだすことは同じなのだとつくづく思う次第です。

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本書『親鸞』は、
読者の対象をを女性に絞ったかのごとき若く美しい僧侶たちが登場します。


むずかしい題の印象をやさしいひらがなを多く用いて、新しい読者を開拓すべく女性好みに仕上げた大変読みやすい作品です。


本書に登場する美男子たち..,,


1) 美貌の少年、本名伏見平四郎、
《六波羅王子》は色白で痩身、朱のような唇。

泣く子もだまる残酷な美少年。

絵から抜けでてきたような美しい若者であるという。


2) 範宴に三年おくれて入山した学生(がくしょう)の身分の《良禅》は美しい姿。

その声に山の鶯までもが、鳴くのをやめてききいると噂されるほどの美声である。

横顔が若い女性に見えて、思わずどきりとすることもあった。

.....とりわけ美しい少年だった良禅も、しばしばあやうい目にあいそうになることがあった。

夜目にも白い良禅の顔が、花がほころぶように微笑した。

夕餉をはこんできたのは、若い良禅だった。

一瞬、範宴は美しい仏を見たのではないかと錯覚した。


3) 都の吉水にある法然上人の
草庵の廊下にいた《若い僧》のひとりが抜けるように白色の、鼻筋のとおった美しい僧である。


4) 法然坊源空の高弟、ひときわ凛々しい顔立ちの《安楽坊遵西》

絵にかいたような整った顔だちと、とびぬけた美声の持ち主である。

女のような長いまつ毛。

翳ったようなまつ毛の奥の黒い目と、薄紅色の頬と、やわらかそうな下唇のふくらみ、

その白い頬にかすかな血の色がさして、うっすらと紅をはいたようになっている..,,.なんと美しい....。

蓮の花がひらくように美しい笑顔を見せて去った。



まるで紫式部の『源氏物語』。

女性読者を夢中にさせた《光源氏》のことかと思わせるほど、官能をくすぐる美しい人物描写です。



若い僧たちが妖艶かつ、耽美的描写で登場し、読者が中・高校生男子であれば自らの仏塔が屹立するような著者のサービス精神あふれる性描写をところどころに組み込み、漢字がならぶ仏教界の話をしっかり解説している構成が素人にはとても親しみやすく読了できるのです。


読者の心理を十分、把握している
著者の手練手管に長けた筆致の妙である。


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by abdulmajid0922 | 2018-01-01 10:45 | Comments(0)