人気ブログランキング |
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

2019年 10月 08日 ( 1 )

日本ではこの度の2019-2020を入れて2001年、2016年と三度、開催されたカラヴァッジョ展。


9月27日
主催する北海道新聞社と北海道立近代美術館は「カラヴァッジョ展」到着遅延作品 展示断念のお知らせ に加えて、再入場は可能です。入場時にカラヴァッジョ作品の絵ハガキ二枚をお贈りします。

という格別の配慮をされた発表がありました。

未到着の作品は、
カラヴァッジョ作品二点の他、カラヴァジェスキらによる作品六点の計八点です。

予定通りにはいかず来日しなかったカラヴァッジョ作品は《瞑想するアッシジの聖フランチェスコ》、《女占い師》の二点です。

e0322201_12225417.gif
(再入場時配布された絵葉書)

"San Francesco in Meditazione"
《瞑想するアッシジの聖フランチェスコ》1605-06年

油彩/カンヴァス  123.0×92.5cm
サン・ピエトロ教会(カルピネート・ロマーノ)
(ローマ、バルベリーニ宮国立古典美術館に寄託)


信仰生活を始めるためにすべての物質的な財と富を放棄した聖フランチェスコはボロをまとい、耳と鼻の先が赤くなるほど寒い洞窟の中で跪き、人間が避けられない必ず迎える死と人生の儚さ、虚しさを象徴する頭蓋骨を指先が赤くなった両手で持ち上げ見つめています。

右手の甲には聖痕が見られます。

総合芸術家といえようカラヴァッジョの冴えた演出は特有のテネブリズムで立体感を出し、あたかもオペラの一場面のような劇的効果を発揮しています。

観覧者は最も簡単に洞窟の中で瞑想する聖フランチェスコ(1182-1226)の精神世界へ引き込まれてしまうでしょう。

デル・モンテ枢機卿の依頼で制作した《法悦の聖フランチェスコ》とは正反対のイメージです。

静物画において象徴的に頭蓋骨を描き込む絵画のスタイル Vanitas の嚆矢となった作品です。

1606年、クレメンス八世(ローマ教皇在位1592-1605)の甥ピエトロ・アルドブランディーニ枢機卿(1571-1621)がこの作品の依頼主です。

完成した絵はカルピネート・ロマーノの領主アルドブランディーニ枢機卿の強い要請で1610年に建設されたサン・ピエトロ教会に寄付しました。

本作品は1968年にサン・ピエトロ教会で発見され、2005年にカラヴァッジョの作品であることが確定しました。


「カラヴァッジョ 光と影の巨匠 ー バロック絵画の先駆者たち」
2001年9月29日〜12月16日
東京都庭園美術館

本邦初のカラヴァッジョ展が2001年に開催され、《瞑想するアッシジの聖フランチェスコ》は公開されました。

北海道立近代美術館では壁一面の中心に本作品一点のみを展示するスペースが用意してありました。嗚呼。

e0322201_12232573.gif
(絵葉書)
"Buona Ventura"
《女占い師》1596-97年

油彩/カンヴァス 115.0×150.0cm
カピトリーノ絵画館(ローマ)
Roma, Musei Capitolini, Pinacoteca Capitolina 

カラヴァッジョは偶然近くを通るジプシーの女性をモデルに起用しました。

汚い爪の女は占いをするどころか、貴族の青年の手のひらを中指でくすぐり指輪を今、正に抜き取ろうとしている瞬間です。

図録によりますと、
カピトリーノ絵画館所蔵の《女占い師》はフランチェスコ・マリア・デル・モンテ枢機卿が所有していたことが知られている。

本作品はX線検査により、一度描かれたカンヴァスを再利用していることが明らかになっているのです。

カラヴァッジョが貧しかった頃の作品である証しとなりカピトリーノ絵画館版が第一ヴァージョンであることがわかります。

第一バージョンの頃はどんな低価格でも売らなければならない暮らしだったのです。

英語版WIKIPEDIAでは、
本作品、第一バージョンはヴィンチェンツォ・ジュスティニアーニ伯爵が低価格で購入した。

《トランプ詐欺師》を購入したカラヴァッジョの最初のパトロン、フランチェスコ・マリア・デル・モンテ枢機卿の邸で暮らしたカラヴァッジョは枢機卿のために第二バージョン(ルーヴル美術館蔵)を描いた。

イタリア語版WIKIPEDIAでは、
ローマのカピトリーノ絵画館に保存されています。この絵の別ヴァージョンはルーヴル美術館にあります。

カラヴァッジョがミラノからローマに出て来てカヴァリエーレ・ダルピーノの工房にいた頃1593-94年の作品であろうと思われる。

1977年のX線検査でダルピーノが描いた絵の上を塗り替えていることがわかっています。

最初の購入者はデル・モンテ枢機卿。

筆者は図録とイタリア語版WIKIPEDIAを支持します。

カラヴァッジョは
デル・モンテ枢機卿との出会いから、貧しさとは掛け離れた枢機卿のマダマ宮殿での生活が始まり、剣を腰に下げて外出し、枢機卿の嗜好に合わせた数々の作品を制作しました。


2016年3月1日〜6月12日
「日伊国交樹立150周年記念 カラヴァッジョ展」が国立西洋美術館で開催された際に本邦初公開されました。


2019年は札幌会場、北海道立近代美術館のみの展示予定であり、《リュート弾き》の右隣りに展示スペースは用意してありましたが実現することはありませんでした。
Mamma mia !!!

e0322201_12341953.gif
カラヴァッジョ作品が二ヶ月以上に亘り北海道立近代美術館で展示され新たな歴史が刻まれた喜びと関係者への感謝の思いがひとしおです。

Caravaggio 2019-2020
La verità dell'arte
カラヴァッジョ展
2019年8月10日〜10月14日
北海道立近代美術館



by abdulmajid0922 | 2019-10-08 12:20 | Comments(0)